社会と子育て

子どもへの接種はさせる?させない?新型コロナワクチンを子どもに接種させるべきか悩む方へ薬剤師が回答します

新型コロナワクチンを子どもに接種させる?させない?ということでお話ししていきたいと思います。

新型コロナワクチンはファイザーやモデルナといった製薬会社が製造販売を行っています。ワクチン接種を進めることでコロナ感染症を抑え込もうという流れが今も続いています。

ワクチン接種は子どもと相談しよう

結論から言うと、ワクチン接種に関しては会話のできる年齢であればしっかりと話をした上で接種を決めた方が良いでしょう。

親だけで決めるのは、思ったよりもストレスとなります。

「感染するよりは接種した方が良いのかな」

「副反応が心配」

本稿でそんな気持ちが少しでも楽になれば幸いです。

新型コロナワクチンの有効性について

新型コロナワクチンについておさらいしていきましょう。

先ずはその有効性についてです。

ファイザーやモデルナのメッセンジャーRNAワクチンは3週間後に2回の接種が基本です。

ファイザー、モデルナの感染予防効果は9割以上、感染予防効果は数か月で減少しますが、その後も重症化予防効果は継続します。

また感染してもウイルスを外に出さないので、他人に感染させにくいと言われています。

間違いなく有効性は高いと言えますね。

ワクチン効果についての追記

新型コロナワクチン 12歳から15歳の子ども、接種後4カ月経過も100%効果 米ファイザー | 国際 | ABEMA TIMES

現在接種可能とされている最も低年齢層でのワクチンの効果が出てきているようです。

成人へのワクチン接種では4カ月を経過すると有効率は80%に減少するとの報告がされてきました。

12歳から15歳がワクチン接種から4カ月経過した時の有効率は驚きの100%とのことです。

成人への接種に比べて明らかな有効性を示していると考えられます。

新型コロナワクチンの副反応について

次は副反応についてです。

アストラゼネカは1回目、ファイザー、モデルナは2回目の方が副反応が出ることが多いです。

症状としては接種部位の痛み、発熱や倦怠感が大半です。

また、アナフィラキシーに関しては接種会場で15分の待機が推奨されていますので、その時間で対応が可能でしょう。

副反応はほとんどが市販の解熱剤などで対応が可能です。

コロナワクチンの副反応に使える市販の解熱剤を紹介

新型コロナワクチンの対象年齢について

新型コロナワクチンの対象年齢ですが、令和3年11月18日現在12歳以上となっています。

現在ファイザーから5歳から11歳への使用を厚労省へ申請しています。

早ければ来年2月から接種が開始される可能性があるとのことです。

接種対象は5歳から11歳ということで接種に関しては保護者が決めることになりますね。

ワクチン接種は大人の3分の1の量

コロナワクチン接種は大人の3分の1の量で行う予定です。

現在、5~11歳の子どもへのコロナワクチン接種は大人の3分の1の量で行う旨がFDA(米食品衛生局)から通知されています。

3分の1の量でも十分な免疫獲得がされているとのことで、効果には不安はないでしょう。

ただ、大人の3分の1量まで減らしたということは、成人量を子どもに使用することでかなりの割合で副反応が起こった可能性があります。

接種する場合は副反応への対応も含めて検討しておく必要があるでしょう。

ワクチン接種は誰のため?

ワクチン接種は誰のためでしょうか。

コロナワクチンを接種することで免疫を獲得できるという点は疑いようのない事実です。

免疫を獲得するとコロナウイルスに感染しにくくなり、仮に感染したとしても重症化しにくくなるというのも事実です。

そもそもワクチン接種は誰のために行うものなのでしょうか。

当然本人のためというのは間違いないですね。さらに踏み込んで考えたときに、周りにうつさないためというのもあるでしょう。

本人が感染せず、また感染しても他の人にうつさなければ感染症は拡がることはありません。

デルタ株で子どもも重症化する可能性あり

先日まで猛威をふるっていた第5波ですが、主にはデルタ株であったとのことです。

第4波に比べて子どもの有症状率は55.4%から71.7%に上がりました。

更に今まで出なかった死亡例が3例出ましたが、そのうち2例は基礎疾患があったようです。

海外では以前から重症化例があったようなので依然として注意は必要です。

RSウイルスの方が重症化しやすい

RSウイルスの重症化率は1~3%と言われています。

2回目以降の感染であれば軽症で済む場合がほとんどで、大人が感染しても鼻水や咳など風邪の症状程度で済むことがほとんどです。しかし初回感染では呼吸器系などに症状が強く出ることもあり、乳幼児期、特に生後6か月未満では注意が必要な感染症です。

2021年は以下のグラフのようなRSウイルスの異常な感染が確認されていました。

おそらくはコロナ禍による影響と思われています。

基礎疾患や遺伝子異常のある場合は接種すべき

喘息やトリソミーなどの遺伝子異常がある子どもは重症化の可能性が高く、ワクチン接種による効果は十分に期待できると思われます。

子どもにだけロックダウンを強いている現実

小学校では教室内でのマスク着用は当たり前、机の間には仕切りが設置給食時も黙食を徹底されています。

食事中に喋ろうものなら先生からの指摘が待っています。

果たしてここまで強い抑制が大人にされているでしょうか?

大人はちゃんと守ってる?

仕事だからと満員電車に乗って、食事の時はマスクなしで大声で話し、夜は居酒屋が空いてないとコンビニの駐車場で酒盛り。

それでも子どもに強く抑制しますか?

まず接種すべきは大人

子どもの重症化率が低く、感染の中心は大人であり、重症化しやすいのも大人で特に高齢者。

大人がコロナワクチンの接種を避けることではいつまでも感染の拡大を抑えることができません。

まずは大人が率先してワクチン接種を行うことが重要です。

そして子どもは基礎疾患があれば接種していくべきでしょう。

重症化リスクの無い子どもに関しては子ども自身の意志も確認してから接種の必要性を検討すべきだと考えています。